冷媒ガス漏れ 2021.08.02

カーエアコンの冷媒ガス分析の必要性

はじめに

コンプレッサー内部の絶縁性破壊を防ぐため、HV・EVの電動コンプレッサー車のPOEオイル(ND11)に旧来のPAGオイル(ND8)を混入してはならないことは、ゲージマニホールドの使い分けや、最新の高純度で冷媒を再生できる回収充填機の出現で、市場でもかなり浸透してきたように感じています。

一方、昨今本格的に新車搭載され始めた新冷媒の1234yfの車両に134aが混入されることによるトラブルについて、電装店や板金店からの情報や問い合わせが多くなってきました。

オイルの混入は、絶縁性の破壊という明確な理由がありましたが、1234yf・134a両用のコンプレッサーもあり、工具を使いまわしたり、ましてや1234yfはまだまだ高価なので、混入してしまう要因はいろいろと思い当たります。

では、なぜ冷媒の混入が問題となるのか、またその対策について、考えたいと思います。

ラパンのコンプレッサーラベル

134a・1234yf両用の表記

写真2 R1234yfのガス缶

PAG・POEオイルだけでなく

134a・1234yfガスの混入もNG!?

冷媒混入の問題点

カーエアコン業界でいろいろ調べたり、先達の方々にヒアリングしてみましたところ、高価な1234yfの車両に異形アダプターを取り付け、安価な134aを継ぎ足してしまうのは、やはりご法度のようです。そもそもそういうアダプターを販売する業者の方、ぜひご遠慮いただきたいところです。

さて混入の問題についてですが、3点ほどガテンいったこと、共有させていただきます。

 

センシティブな内容ですが、これらの情報において、いよいよ冷媒の混入が問題であることはお分かりいただけたのではないでしょうか。

さらには混入だけでなく、漏洩などによる大気放出の問題もあります。

1234yfは温暖化係数が低く、現在の法体系では大気放出可能となっていますが、学説や政府資料によると、生態系被害の可能性も叫ばれています。R12でオゾン層破壊、R134aで温暖化、1234yfの生態系被害は、それらに続く第3のリスクとも言われており、混入や漏洩によってエアーや水分に反応し、毒性の高い強酸性物質(トリフルオロ酢酸)となり、機械や部品への影響だけでなく、生態系への影響も懸念されています。

冷媒混入時の対策または予防

当社では20年来「冷媒ガス分析器」を取り扱ってきました。製造元は米国バカラック社(旧ニュートロニクス社)。ハンディ型冷媒分析器では世界唯一のメーカーです。簡易型ガスクロマトグラフィーというものです。

この分析器は1234yf・134a・エアーなどカーエアコンでのあらゆる冷媒の混入がわずか90秒で分析可能です。分析することにより、回収し破壊するのか、再利用可能なのかすぐに判断できます。高価な1234yfの分析を行うことで、より確実なエアコン整備ができると同時に、冷媒リユースによる収益にもつながります。エアーの混入もわかるところが、1234yfの分析において非常に有益です。

米国やEUでは冷媒回収機にこの分析器が内蔵されている機種も多く、国内でもデンソーやプロステップ製の回収機には一部機種で搭載され、世界的にニーズは高まっています。

写真3 冷媒ガス分析器 RI-1234-30

分析可能冷媒:R1234yf、R134a、R22、HC、エアーなど

最後に

兎に角という話になりますが、専門家界隈からのご意見をまとめますと、弊社としては、素晴らしい日本のエアコンメーカーがいかに厳しいテストをされているのか、日々仕事させていただき、体感させていただいているので、設計どおりにメーカーの指定どおりだけが真実であると思っています。いかなるイレギュラーも不具合の原因となるだけでなく、メーカーの補償外となるケースもあるので、ぜひ十分に知識を備えられ、ご注意いただきたいです。

さらに1234yfにもし134aが混入していた場合、意図せずも134aの大気放出につながり、フロン排出抑制法において、みだりな冷媒の放出には罰則があり、ましてや温暖化抑制の観点からもこの分析器のご導入を検討いただきたいです。

当社としては創業以来、蛍光剤を手始めに、カーエアコンに使うケミカルや機械工具類など幅広く取り扱ってきましたが、以後も正しい情報に基づいて、正しい商品提供をし、お役に立てますように励んでまいります。今回は一部私見も含めたレポートになりましたが、業界のため、お客様のため、ぜひ皆さんからのご意見もいただきたく、対話によって高められたら嬉しいです。